【事例】強度行動障害があっても地域で暮らす。グループホームと重度訪問介護の併用による24時間見守り体制。

2026.03.11

「グループホームが見つかった時、寂しさと安堵が半々だった」

そう語ってくださったのは、24時間の見守り支援を提供する日中サービス支援型グループホーム「ユースタイルホーム」に18歳の息子Yさんを託したお母様。

Yさんは、ASDによる激しいこだわり・破壊行為などを伴う「強度行動障害」を起こすことがあります。知的障害があり言葉でのコミュニケーションが難しいため、それがどのような理由・タイミングで表れるのか、家族や支援者であっても正確にはわかりません。
先天的な脳機能による特性であり、周囲はもちろん、Yさんご本人にもコントロールできるものではありません。

激しい自傷や他害を繰り返してしまう強度行動障害の症状を抱える当事者とそのご家族の多くは今、日本の福祉の隙間で、誰にも頼れず孤立しています。

今回ご紹介するのは、他施設で断られた強度行動障害の受け入れ事例です。
日中サービス支援型グループホーム「ユースタイルホーム」で生活しながら、見守りのためのユースタイルケア重度訪問介護サービスを付帯して生活するYさんの事例と、お母様の心境です。


環境変化を避けるため、もう二度と会えないと診断される

1歳半検診のときに保健師から発達に関する支援を受けることを助言され、「我が家は早い段階から発達支援センターに繋がれたことが、幸いだった」とお母様は振り返ります。

お母様は、Yさんが物心つく頃から我が子の障害特性を受け入れ「障害児の子育て」をしてきたと言います。下のお子さんにも重度障害があり、2人のお子さんそれぞれが幸せに生きる道を模索してきました。

幼いうちは目立たなかったYさんの暴力行為ですが、小学校高学年になり身体がお母様の背丈を超える頃になると、女性の手には負えなくなってきました。

モノへの破壊行動があり、家の中はあちこち壊れていきました。中学を終える頃には、お母様と下のお子さんが身の危険を感じるまでになりました。
怪我をしたり歯が折れたりしながら、Yさんを刺激しないことだけを考えて生活する日々にも、限界を感じていました。

強度行動障害の症状が酷くなり、緊急対応の必要が高いと判断されたYさんは入院措置となります。この時、「環境変化や刺激を避けるため、Yさんはご家族とは今後一切接触しない」という方針が主治医から出されました。

つまり、病院から自宅に戻る選択肢はなく、地域での生活の場を探さなければならないということでした。
3か月以内に退院しなければならないという条件付きだったため、お母様は必死で受け入れ先を探しました。

強度行動障害があると連絡が途絶えたり「満床」と断られる


重度障害者の受け入れ先である入所施設や複数のグループホームに問い合わせましたが、強度行動障害があると分かると、そのまま連絡が途絶えたり、断り文句のように「満床です」と言われることが続きました。

運よくその頃開設したばかりの「ユースタイルホーム」を見つけた時は、学校の先生も一丸となって見学ができる体制を整え、なんとか入所が決まるよう準備したといいます。

「受け入れ側のユースタイルホームさんも、リスクをとって受け入れてくれたんじゃないかと思います」と、24時間支援付きのグループホームに巡り合えた幸運を振り返るお母様。

グループホームで共同生活をしながら、重度訪問介護を利用

Yさんのユースタイルホームでの生活が始まりました。

日中サービス支援型のグループホームは、他の入居者と共同生活をしながら24時間365日支援スタッフがついて生活できる場です。特に重度の障害ある方の受け入れを想定し、2018年に障害者総合支援法に基づいて新設されました。
障害者グループホームは全国に15000施設ほどありますが、日中サービス支援型のグループホームはその1割程度にとどまっています。

そうしたグループホームでの24時間支援体制をベースとしたうえで、Yさんが安定して地域での生活を継続するために、重度訪問介護サービスの併用をおこなうことにしました。

ユースタイルホームの運営事業者ユースタイルラボラトリーの訪問型サービスである「ユースタイルケア重度訪問介護」から重度訪問介護士を1名つけて、日中の長時間見守りを実施しています。

支援は重度訪問介護との連携による情報の積み重ねや支援会議を繰り返し、対応に工夫と試行錯誤を重ねながら、慎重に進められました。
当初は週3回から重度訪問介護の介入を開始。
Yさんの反応を見守りながら、徐々に日数を増やしていきました。

現在は毎日、重度訪問介護士が1名マンツーマンで付き添い、日中の長時間見守りを実施しています。

独自に散歩やお買い物の日課を設けたり、しっかりマンツーマンで付き添い支援をすることで、共同生活環境の中でも落ち着いて過ごすことができています。

グループホームのスタッフと重度訪問介護のスタッフは、Yさんの最善を考え柔軟に支援を形にするワンチームの支援チームです。何年かかるか分かりませんが、いずれは重度訪問介護のマンツーマン支援がなくても、ユースタイルホームで安心した生活を過ごしていただけることを目標にしています。

お母様が時々施設にYさんのための生活用品などを届けにくる際には、絶対に会うことがないよう鉢合わせを避けるため慎重に配慮されています。
入院とグループホームへの入所を機に、二度と直接会うことがなくなったお母様とYさん。

ユースタイルホームのスタッフは、ご来所にあわせてお母様にタブレットで動画をご覧いただいています。直接会うことが叶わないため、せめてホーム内に取り付けてある防犯カメラに映り込んだYさんの様子を見てもらうためです。

動画を見て、お母様は「元気そう。毎日運動させてもらっているから少しダイエットできたかな」と微笑んでいらっしゃいました。

「小さい時から見てきた私にとって、息子は身体が大きくなっても、本当に可愛い良い子です。だから、寂しいという気持ちはもちろんあります。
でも、グループホームが見つかった時、寂しさと安堵が半々でした。下の子の安全が守れること、そしてこうして家族以外の方に支えていただきながら、本人が落ち着いて暮らすことができる道があったということ。そのことに、親として安心しています。」

お母様は、複雑な心境と共に本音もお話くださいました。

「でも、タブレット越しじゃなく、本当は本人を直接見たい。会いたいです」


重度訪問介護やグループホームの選択肢を知るだけでも

今回ご紹介したのは、日中サービス支援型グループホーム「ユースタイルホーム」で生活しながら、見守りのための重度訪問介護サービスを付帯して生活するYさんの事例でした。

重度障害・難病ケアの専門事業者ユースタイルラボラトリーでは、強度行動障害のある方に「日中サービス支援型グループホーム」と「重度訪問介護」の選択肢を提案し、多くのご家族の「24時間365日の出口なき介護負担」の解決を共に目指しています。

親子であっても共同生活が難しい事例も多くあり、ご本人にとっては静かな環境で独り暮らしをする選択が適するケースもあります。

別の利用者様の事例で、ご家族の怪我が絶えず警察が介入することも少なくなかったご家庭では、重度訪問介護スタッフを2名つけて支援することで、ご本人の強度行動障害の症状が落ち着いたこともありました。

重度訪問介護は、重い身体障害や難病の方が利用する障害福祉サービスとして知られていますが、2014年の法改正で「「重度の知的障害(または精神障害)により、行動上著しい困難を有する(強度行動障害など)、常時介護を要する方」に対象が広がっています。

ぜひ、家族だけで介護を担う以外の選択肢があることを、広く知っていただきたいです。

ユースタイルが提供するのは、単なるケアではありません。
ご家族が、本来の家族としての絆や愛情を大切にできる『心の余裕』や『時間』をご提供していけたらと考えています。


重度障害・難病ケアのユースタイルラボラトリーは、「ユースタイルケア重度訪問介護」を全国約100事業所で運営し、一対一の長時間見守り介護を提供しています。

重度障害者向けの日中サービス支援型グループホーム「ユースタイルホーム」は、全国約70施設に拡大中で、各エリアで新規開設をおこなっています。
ユースタイルホームの全スタッフが、当社が全国で運営する福祉資格スクール「ユースタイルカレッジ」が提供する『強度行動障害支援者養成研修』を修了しています。

強度行動障害を伴う重度障害のある方の選択肢として、重度訪問介護での自宅生活(独居またはご家族との同居)、日中サービス支援型グループホーム、グループホーム+重度訪問介護の併用という選択肢を、ぜひ知っていただきたいです。

ユースタイルケア重度訪問介護
https://care.eustylelab.co.jp/

ユースタイルホーム
https://home.eustylelab.co.jp/

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