6月10日(水)、当社ユースタイルラボラトリーは「ALS患者の在宅支援に関する実態調査」の結果を発表しました。
全国の支援者を対象に行われた本調査では、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の在宅ケアの現場が抱える「本人との意思疎通が困難」や「利用できる社会資源・福祉サービスの情報不足」などの深刻な課題が浮き彫りになっています。同時に、病状の進行を考慮した柔軟かつ速やかな支給決定などを求めるなど、行政への切実な声も明らかになっています。
この調査結果に関連して、今回、ALSと診断されたお母様を在宅で支えるご家族から、切実な声をいただきましたので、以下にご紹介します。
在宅ケアの始まり
2023年に、母がALSと診断されました。
現在、母は73歳。診断から4年目、在宅ケア3年目を迎えます。
重度訪問介護を週6日、夜間見守りで利用しているほか、訪問看護を毎日2回と、訪問リハビリを週2回、利用しています。
79歳の父と、フルリモート勤務のエンジニアの兄が同居しており、娘の私は週末を中心にサポートに通っています。
母がALSとなり重度訪問介護事業者を探している中で、「ユースタイルケア重度訪問介護」を知りました。
調査結果を家族で読み、私たちが感じたことをお伝えしたいと思います。
意思疎通の壁:失われていく「生命線」である意思伝達
ALS患者にとって、意思伝達は生きていく上での生命線です。知的能力が保たれる一方で、進行に伴い発声や表情が失われるため、意思が伝わらないことは非常にストレスになります。
透明文字盤やフリック式など手軽な手段があるにもかかわらず、看護師やリハビリ職の方が使いこなせず、当事者が日常的にコミュニケーションにおいてストレスを感じているのが実情です。

また、視線入力装置の購入は手足が少しでも動くうちは補助金が認められないなど、支給制度のハードルも高いです。ALSの進行を見越した予測型の支給制度が必要であると感じています。
制度の迷路:情報が見つけられない・わからない
在宅ケアを開始した当初、情報不足が非常に深刻でした。
家族だけでなくソーシャルワーカーさえも、どのサービスが利用可能か十分に理解していません。障害者手帳の取得メリットがわからず申請が遅れたり、(複雑で難解な)医療費助成を自分たちで長時間、調べて申請したりすることもあります。
特に、医療的ケアに対応できる事業者を見つけるのは極めて困難でした。
重度訪問介護も、自治体格差や認定までの時間、内容の難解さが課題となっています。もしDX化で支援職と家族が情報を共有できるシステムがあれば、在宅介護を選択する際の重要な判断材料になります。
家族に依存せず、在宅でALS患者が生きられる社会へ
現在の在宅介護は家族に依存しており、家族の身体的消耗が見えていないというギャップがあるように感じています。当事者も家族に負担をかけたくないという理由で、気管切開をして生きることを選択しない人も多いのではないでしょうか。
今回、ユースタイルラボラトリーが実施した調査の結果が、ALS患者をサポートしていくために、より充実した当事者・当事者家族への支援、家族に依存しない仕組み作りにつながることを期待しています。
ありがとうございました。
在宅ですごしたいすべてのALS・難病の方々とそのご家族が、在宅介護の負担を心配することなく、それぞれに自分らしく生きられるよう、私たちユースタイルラボラトリーは、重度訪問介護のサービス提供や、行政や社会への働きかけを行い、今後も尽力してまいります。
調査結果の詳細は、こちらのブログをご覧ください。
